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60歳前後で退職を考えるようになると、年金や健康保険に目が向きます。でも、もうひとつ忘れたくないのが住民税です。
会社員の間は給与から自動的に引かれているので、あまり意識しません。ところが退職すると、自分で納める場面が出てきます。しかも住民税は「前年の所得」をもとに計算されるため、退職して収入が減ったあとにも請求が来ることがあります。
住民税は前年の所得に対してかかる
個人住民税は、前年1月1日から12月31日までの所得などをもとに計算され、原則としてその年の1月1日に住んでいる市区町村が課税します。会社員の場合は、通常6月から翌年5月まで給与から天引きされます。
ここが退職時に注意したいところです。たとえば現役時代にある程度の給与所得があった人が退職すると、退職後に収入が大きく減っても、前年の所得をもとにした住民税を納める必要があります。
退職する時期で納め方が変わる
東京都主税局の案内では、6月1日から12月31日までに退職した場合、給与から引ききれなかった住民税は原則として普通徴収に切り替わり、本人が納付します。本人が希望すれば、最後の給与や退職金などから一括徴収してもらうこともできます。
一方、翌年1月1日から4月30日までに退職する場合は、一定の例外を除き、残っている住民税を最後の給与や退職金などから一括徴収する扱いになります。5月退職の場合も最終月分として特別徴収されます。
「退職したのに住民税が高い」と感じやすい理由
退職後に驚きやすいのは、税額そのものよりも支払いのタイミングではないでしょうか。
在職中は毎月の給与から少しずつ引かれていたものが、普通徴収になると自治体から納税通知書が届き、自分で納めることになります。普通徴収は一般に年4回です。給与がなくなったあとにまとまった金額を見ると、負担感が大きくなります。
つまり、退職資金を考えるときは「退職した月から生活費がいくら必要か」だけでは足りません。健康保険料や年金の手続きと一緒に、退職後に支払う住民税分も現金で確保しておく必要があります。
60歳前後なら退職前に確認しておきたい
- 最後の給与から住民税はいくら引かれるのか
- 残額は一括徴収か、普通徴収になるのか
- 退職翌年に納める住民税を生活資金とは別に確保できているか
- 転職する場合は新しい勤務先で特別徴収を継続できるか
この4点は、退職前に会社の給与・人事担当者へ確認しておくと安心です。具体的な税額や納付方法は住んでいる市区町村によって確認するのが確実です。
年金だけでなく「退職後に出ていくお金」を見る
年金の勉強をしていると、どうしても「65歳からいくら受け取れるか」に目が行きます。でも、60歳から65歳までを考えるなら、住民税、健康保険料、生活費など、退職後に出ていくお金も同じくらい重要です。
退職したら税金がすぐ軽くなる、とは限りません。むしろ退職直後の1〜2年をどう乗り切るか。その準備まで含めて老後資金を考える必要がありそうです。
参考にした公的情報
制度確認日:2026年10月4日。具体的な税額・納期限・手続きは、お住まいの市区町村の住民税担当窓口でご確認ください。



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